ただの突起物だった

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[風を感じ、ときを想う日記](372)7/25
ただの突起物だった

 私が、胃カメラを体験してみようと思った動機の一つは、6月に行われた高校同窓生のゴルフコンペで後輩から話を聞いたことである。彼の話では、たまたま受けた胃カメラの健診で胃にポリープが見つかったそうだ。その細胞検査をしたところ、癌だったので近々手術を受けることになったということだった。

 そのポリープが私の胃にも見つかった。しかし、自分でも不思議なくらい落ち着いていた。たとえその異物が癌だったとしても、その不運を嘆く前に早期発見できた幸運を喜ぶべきだと考えることができた。そんな病気にはいつかかってもおかしくない年齢になっているという自覚がそうさせるのだろうか。あるいは、自分の今を「余生」と考えるようになっているためだろうか。

 そんな深刻な話はともかく、もともとポリープなどという代物は内臓にできた小さな突起物にすぎないのである。胃のポリープも大半は良性だそうだ。たとえ癌だったとしても、この段階なら100%元通りの生活に戻れるはずだ。再発の心配もほとんど考えられない。いまの医学はその信頼に十分応えてくれるはずである。なにか、まな板に乗せられた鯉のような心境になっていた。

 昨日、医師からなんでもなかったといわれた。当然と思う半面、やれやれと胸ならぬ胃の上をなでおろしたことも事実である。万一のために、一時保留してあった帰省などのスケジュールはすぐ埋めることにした。