ついでの東京めぐり

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[風を感じ、ときを想う日記](355)5/23
ついでの東京めぐり

 昨日は、朝8時半ごろには自宅を出た。JRで新橋まで行き、都営地下鉄浅草線に乗り換えて押上駅に向かった。改札を抜け地上に出ると、すぐ眼の上に工事中の巨大なタワーがあった。
 
 皐月の空に、白い骨格がくっきりと浮かび上がって見える。今の高さは379メートルと表示されている。日々姿を変えていくところに観光資源としての大きな魅力がありそうだ。完成すると634メートルになるというから、この上にさらに255メートルが継ぎ足される計算になる。タワーの周りを時計回りに半周し、今度は東武線の業平橋駅から一駅先の浅草に向かった。

 浅草からの眺望は、セーヌ川に映えるエッフェル塔をイメージしていた。しかし、隅田川を挟んで吾妻橋から望むスカイツリーは、まだその迫力を十分には発揮しきれていなかった。それでも、完成の暁には、大きな観光資源となって浅草の活性化に一役買うことになるはずである。

 浅草からは銀座線で三越前駅に向かった。三越本店の近くに、三浦按針の屋敷跡の碑があると聞いていたのでそれを確かめるためである。三浦按針とは、本名をウィリアム・アダムスといい、江戸時代の初期に徳川家康の外交顧問として仕えたイギリス人である。

 前日の金曜日、英会話教室で彼のことを主題にした毎日ウィークリーのエッセイが取り上げられた。そして、彼の名前を冠した按針町という町が、東京にあるらしいという話になった。半信半疑で調べていたら、今の日本橋室町に彼の江戸屋敷があり、かつてはその辺りを按針町と呼んでいたということがわかった。たしかに、ビルの一角にその記念碑が建てられていた。

 実はこの日の本題は、故郷の旧・隣町出身の人たちが集う東京町人会にゲストとして参加させてもらうことであった。場所は千代田区二番町にある東京グリーンパレスである。三越前駅から半蔵門線を利用すれば、最寄りの半蔵門駅まで一本で行ける。按針ゆかりの地に立ち寄ることにしたのは、乗り換えを考慮してのついでのついででもあったわけである。

 その町人会はずいぶんにぎやかであった。名簿によると、参加者は全部で80名、故郷からは町長はじめ5名のゲストが参加していた。中でも目を引いたのは、この会に初めて参加した人がなんと10名もいたことである。人口はもとより、なにかにつけて頭数が減る一方の時代に、初めての人が10名も参加するとはまったくの驚きである。

 会の冒頭、地域医療の現況と将来展望についてのミニ講演会があった。空腹をおぼえる時間帯であったので、ちょっぴりつらくもあったが考えさせられることの多いお話であった。同郷というだけですぐ親しくなれるのに、顔見知りの人も多くパーティではいっそう楽しい時間を共有することができた。

 かなり疲れはしたが、二つのついでもふくめ実りの多い一日となった。