パートナーに恵まれず?

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[風を感じ、ときを想う日記](335)2/15
パートナーに恵まれず?

 旅の僧侶が体調を崩して、次の村に行きつく前に夕暮れを迎えてしまった。闇があたりを包み、冷気が足元から這い上がってくる。途方に暮れていると、遠くにかすかな明かりが見えた。

 連日、ぐずついた空模様と身にしみるような寒さが続いている。そんな中で、昨日の日曜日だけは春を想わせるような暖かな日差しに包まれた。まるで、途方に暮れる旅の僧が、遠くにかすかな明かりを見つけたときのようである。一人暮らしの老人は、残り物のお粥と囲炉裏の火で僧を温かくもてなしてくれた。

 天候に恵まれた私たちのゴルフは、けだし老人の温かなおもてなしのようにはいかなかった。ゴルフコンペの優勝者のスピーチでは、“パートナーに恵まれて・・”というのが決まり文句になっている。自分をほめるだけでなく、一緒にラウンドした仲間への感謝といたわりの気持ちを表したものである。

 しかし、この日の私たちは、お世辞にもそんなことは口にできなかった。同伴の4人は、参加者14人のうち、11位から14位を独占してしまったのだ。かろうじて、13位のブービー賞に入った人だけが笑顔を見せているだけで、あとの3人は“パートナーに恵まれなかった”といってみたかったはずである。

 こうしてわれら4人は、高校同窓生によるゴルフコンペにおいて、好天とお互いの温かいおもいやりの心を逆恨みしかねない成績を残してしまった。