ボージョレ・ヌーヴォー

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[風を感じ、ときを想う日記](221)11/20
ボージョレ・ヌーヴォー

 「目には青葉 山ほととぎす 初かつお」。ボージョレ・ヌーヴォーのことが話題になるたびにこの句を連想する。初物を食べると寿命が75日伸びるというが、ボージョレ・ヌーヴォーを飲んだら長生きできるのだろうか。

 ボージョレ・ヌーヴォーは、フランスのブルゴーニュ地方にあるボージョレ地区で、その年に収穫されたブドウで作られるワインの新酒のことである。樽に寝かせてじっくり熟成される一般のものとちがい、このワインはステンレスの大きなタンクで一気に作られる速成の赤ワインだそうだ。

 速成ワインというと、ワインのもつ高級イメージも吹き飛んでしまいそうだが、それを逆手にとって解禁日などというもっともらしいものを設けたようだ。その解禁日が、今日、11月の第3木曜日である。日付変更線に一番近い日本が、世界で一番先に飲めるといって毎年話題にされているわけである。

 われわれ日本人は、メーカーのマーケット戦略にすっかり乗せられてしまったようだ。それでも、ボージョレ・ヌーヴォーはその製法ゆえに軽めで柔らかい味に仕上がっているという。そのため、きつめのワインを飲みなれていない日本人にはむしろ向いているという説もある。

 それにしても、スーパーなどで見かける値段もなかなかのものである。本当に、ワインにも「旬」があるのだろうか。