アシナガバチの巣

風を感じ、ときを想う日記(1196)7/3

アシナガバチの巣

 

 外出から帰宅し、乗っていた車を車庫に納めた。車から降りてドアを閉めようとしたとき、アシナガバチが目の前を横切った。アッと思って見上げると、車庫の天井に蜂の巣があった。頭上わずか50センチほどのところである。頭を低くしてその下を潜り、そっと外に出た。彼らに襲われることはなかった。

 

 過去に何回か巣を作られたが、今回もまったく同じ場所である。わが家の車庫は北側の道路に向けて口を開け、後ろに向かって南側に低くなっていく片流れの小屋である。屋根の素材は、半透明のプラスチック製波板である。巣は、屋根裏の一番高いところに、桟に寄り添うように設置されていた。

 

 急いで消毒噴霧機を取り出し、濃い目の消毒薬を用意してその巣に向けて一気に吹きかけた。蜂たちは大慌てだったが、反撃する間もなく下に落ちていった。私は、そのまますぐに現場を離れた。難を逃れた仲間たちが襲ってくるかもしれないためだ。あとで現場に戻ってみると、巣は消毒液の重みで下に落ちていたが、蜂の死骸はどこにも見当たらなかった。

 

 それにしても可哀想なことをしたものだ。一説によると、アシナガバチは益虫なのだそうだ。人間の害虫を餌にしているためだという。それを、有無を言わせず退治してしまったのだから。それかといって、車を利用するたびに恐ろしい思いをさせられたのでは、これもまた耐えがたい話ではある・・。