[風を感じ、ときを想う日記](1116)5/29
ネギボウズ?
ネギボウズとは、ネギにトウが立ち、先っぽにピンポン球ほどの球状の花の群がついたものをいう。ものの本によると、一つの玉をなす花の数は250~400にもなるそうだ。あの白い玉は、以前はよく見かけたが最近はほとんど目にすることはない。おそらく、専門の農家が大規模に手がけるようになって、素人のようにうっかりトウを立たせてしまったなどということがなくなったためだろう。
先日、近隣を散歩していたら、あの白い球の数倍はあろうかという大きな玉が林立しているところに出くわした。茎は細く、先端の玉は野球ボールくらいもある。色は紫色に近い。近寄ってよく見ると、ネギボウズ同様小さな花の集合体だった。根元に葉っぱらしきものはほとんど見当たらず、茎が地面から突き出ているようにさえ見える。それが何本も突っ立っているのだ。
自宅に帰っていろいろ調べてみた。ユリ科ネギ属の植物で、正式な名前をアリウム・ギガンチウム、和名をハナネギと呼ぶそうだ。茎の高さは1メートルにもなる。その先端から可愛い花をつけた小さな枝が無数に出て球状となる。その直径は20センチくらいにもなる。あの形の花は散形花序と呼ばれるそうだ。
あのネギボウズには、なぜか過疎地の畑に置き忘れられたようなうら悲しさがつきまとう。片方のアリウム・ギガンチウムは人工的なモダンアートの香りさえ漂わせる。同じネギの仲間でありながら、なんという大きな違いであろう。