コロナワクチンの接種が始まった

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[エッセイ 591]

コロナワクチンの接種が始まった

 

 待ちにまったコロナワクチンの、高齢者への接種が具体的な形で見えてきた。当市では、一般の高齢者へのワクチン接種は、5月17日から市内の各医療機関で実施されることになった。先日、その実施機関の一覧表が各戸に配布された。接種事業を引き受けた医療機関は149箇所にのぼり、市内ほぼ全部の病院やクリニックがそれに該当しているのではなかろうか。

 

 その一覧表には、接種を受けるときの要点も記載されている。・・①予約制ですが、まずはかかりつけ医に相談ください。②接種に必要なクーポン券(ワクチン接種券)は、年齢の高い順から順次発送します。③予約にはクーポン券が必要です。④予約開始は原則5月10日からです。・・どうやら、クーポン券が届きしだい、かかりつけのお医者さんに電話すればいいということらしい。

 

 当市での予防接種の順番は、医療従事者から始まり、施設に入居中の高齢者、そして一般の高齢者と続くようだ。一般の高齢者は年齢の高い順に2歳刻みで順に接種していくらしい。接種場所は、149箇所にも上るかかりつけ医またはそれに準じた機関ということになる。一人一人を知り尽くした身近な医師から接種してもらえるのは、大変安心であり極めて合理的であるといえよう。

 

 先日、かかりつけ医と近所の高齢者に実際に聞いてみたら、クーポン券は2歳きざみに年齢の高い順に毎日のように発送しているそうだ。すでに83歳までの人には届いているらしい。勝手な想像だが、予約にはクーポン券に記載された番号が必要で、それをもって予約を制御しているのではなかろうか。このような方法なら、大方の納得が得られ、混乱も最小限に留められるはずである。

 

 それにしても、なぜ電話やネットによる「先着順」という方法を採った自治体があったのだろう。「無策」や「無責任」という批判があっても当然である。なんせ、主催者側はなんの策も練る必要が無かったのだ。極論すれば、電話を受けるアルバイトでも雇っておけばそれですむのだから。しかも、順番が後回しになったのは「もたもたしていた本人のせい」ということになるのだから。

 

 抽選というやり方も、一見公平なようで実際には先着順と大差は無い。そこには「策」も「責任感」もほとんど見られないからだ。あるとすれば、電話をかけたりネットをあつかったりすることのできる「実力」の差が出ないという程度の公平さである。やはり当局は、市民一人一人の立場に立って親身に考えるべきであり、それに添った施策を、責任を持って実施すべきである。

 

 緊急事態宣言だの蔓延防止措置だのと、何回繰り返してもコロナ禍の波は大きくなっていくばかりである。言い尽くされてきたことだが、ワクチンこそ収束の決め手である。コロナとの戦いにも、これでやっと明るい兆しが見えてきた。

                       (2021年5月9日 藤原吉弘)