冠雪富士と彼岸花

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[風を感じ、ときを想う日記](992)9/28

冠雪富士と彼岸花

 

 今年は、紅い彼岸花の群落が、雪を被った富士山を背にしている風景が楽しめた。はっきりした記憶はないが、何十年も欠かさず通っていて、この景色を眺められたのは数度しかない。それだけ貴重な、すばらしい光景である。

 

 まず、この風景の主役である彼岸花だが、この辺りの開花時期は9月下旬から10月上旬といわれている。一方、富士山の初冠雪は、“平年”だと9月30日だそうだ。ちなみに、昨年は10月22日で、ずいぶん遅かったようだ。

 

 雪を戴いた富士をバックに彼岸花を楽しめるのは、開花中に山に雪があることが大前提となる。しかも、この辺りと富士山の間に障害物がないこと、つまり山に雲がかかっていないことはもちろん、中間に霧や霞などもないことである。さらに、条件は揃っていても雪が溶けないで残っていることである。

 

 今年の気象条件も、彼岸花開花以来一度もこれらの条件に当てはまったことはなかった。やっと今朝、久し振りに晴れ渡り、遠くまで見通せる状態になった。幸いにも、昨日までの不順なお天気が富士山に初冠雪をもたらしたようだ。

 

 ところで、主役の彼岸花だが、今年はことのほか遅いようだ。現状まだ6~7分咲きといっていい。花だけなら、まだ一週間はゆうに楽しめそうだ。ただ、冠雪の富士山とのセットとなると、どうしても疑問符が付く。これから予定される方は、神さまによくお願いしてから出かけられることをお勧めしたい。