[風を感じ、ときを想う日記](988)9/8
台風のトップシーズン
台風襲来ゼロの8月を過ぎ、二百十日を迎えたとたん南方海上が急に騒がしくなってきた。さすが、台風のトップシーズンである。台風10号が、9号の跡をなぞるように九州の西方を通過し、朝鮮半島方面へと抜けていった。
今回の10号は、今まで経験したことのないような強力なパワーを持っているということで、メディアをあげて国民に注意を促した。せっかく復活したNHKの大河ドラマまで中止しての大キャンペーンである。
恐怖の一夜が明けてみると、被害は思ったよりずっと小さくて済んだようだ。“特別警報”が奏功する一方、台風自体も予想よりずっと弱かったためだ。先に通った8、9号が、東シナ海の海水をかき混ぜて水温を下げたことにより、パワーを維持できなくなり、逆に衰退へと向かわされたためのようだ。
それにしても、今回の事前準備は史上最大規模だったようだ。早くから防御準備にかかる一方、避難行動も早々かつ大規模に行われた。なにしろ、コロナ対策との両面作戦とならざるをえなかったためだ。反面、ソーシャル・ディスタンス維持の副作用で、避難所からあぶれた人が多数出たようだ。
ただ、台風のパワーが予想より小さく、被害も最小限に留められたとはいっても、その及ぼす影響は全国規模に及んだ。ここ数日、何度も繰り返す突然の土砂降りに、東日本でもどれだけ多くの人が右往左往させられたことか。