白内障手術・事前の準備

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[エッセイ 545]
白内障手術・事前の準備
 
 運転免許の更新を控え、以前から気になっていた白内障の手術を受けることにした。免許更新手続きは、自動車学校の事前講習を受けなければならなくなって以来、混み合って期限ぎりぎりになることが多い。今回も、期限が迫ってからの手続きとなるので、視力のことも含めて万全を期す必要があるためだ。


 前回、そこで受けた視力検査では、両眼とも基準値に達していなかった。早速、メガネを交換しようとしたが、片側は白内障の疑いがありそれだけでは矯正しきれなかった。それでも、警察署の両眼で見た場合の視力検査は簡単にパスすることができた。あれから3年が経ち、目の状態も悪化しているかもしれない。


 正月明け早々、知人たちおすすめの眼科医を訪ねた。それも、朝早くから並んで一番で受付してもらった。診断の結果、両眼の手術が決まった。帰り際、これからのスケジュールが申し渡された。手術日は、左目が37日後、右目がその翌日ということだった。希望者が多く、混み合っていて、それでも最短らしい。


 簡単に考えていたが、これでは免許の更新期日までまったく余裕がない。なにしろ、新しく生まれ変わった視力にあわせてメガネも作り替えなければならないのだ。手術日の繰り上げについて粘り強く交渉してみた。高齢者対象なのだからドタキャンも出てくるでしょう?キャンセル待ちでもいいですよ、と。


 やっと、こちらの要望を聞き入れてもらうことができた。それでも1週間の繰り上げが限界だった。実は、手術までにあと3回通院しなければならなかった。最初は各種眼科的検査、2回目は手術に関する説明会、そして3回目は眼科的検査のさらに突っ込んだものと実施に当たっての事務的手続きだった。


 4回の通院を経て、やっと手術実施に向けて具体的に動き出した。その動きとは、手術4日前から1日4回の目薬をさす。当日になったら、実施2時間前からあと3種類の目薬を5分おきにさす。事前準備はこれだけだが、手術に備えて体調を整えておくなど健康にも万全を期さなければならない。


 手術は左、右の順に日帰りで2日続けて実施される。手術が終わると、そのあとのチェックとケアが待っている。翌日、3日後、1週間後、2週間後、1カ月後、3カ月後、そして6カ月後。手術は2日続けて行われるので、当日を入れると4~5日間はぶっ通しで通院することになる。


 手術後には、生活の面でいろいろな制約が出てくる。例えば、洗顔や飲酒は1週間以降、散髪や軽スポーツは2週間以降、本格的に運動しようと思えば1カ月待たなければならない。すでに目薬の点滴は始めた。これからしっかりと体調を整え、満足いく結果を得るために準備万端怠りないようにするつもりだ。


 なにごとも、段取りしだいで結果の行方は八割方決まってしまう。

                       (2020年2月3日 藤原吉弘)