遅い夜明け

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[風を感じ、ときを想う日記](828)12/29
遅い夜明け

 一週間前に冬至が過ぎて、日暮れが少し遅くなったような気がする。確かに、一番早かった12月上旬に比べれば8分ばかり、冬至のときからでも4分ばかり遅くなっている。このところの晴天続きと、“一陽来復”というイメージがその感覚に輪をかけているのかもしれない。

 一方、冬至以降、理屈からいえば早まるはずの夜明けは、さらに遅くなっているようだ。事実、データでみると4分ばかり後ろにずれている。昼間の時間は冬至の当日が一番短いが、夜明けが一番遅くなる日と日没が最も早い日では1カ月近いずれがある。冬至とは、両者の差が一番短い日であるにすぎない。

 国立天文台のデータをもとに東京を例に挙げてみよう。12月1日は、日の出6:32、日没16:28、昼間は9時間56分である。冬至の12月22日は、日の出6:47、日没16:32、昼間は9時間45分である。来年の元旦は、日の出6:51、日没16:48、昼間は9時間57分となり、わずか10日間で12分も長くなる。

 このように、日の出の一番遅い日と日没の一番早い日、そして昼間の一番短い日の三者は一致せずそれぞれ10日以上のずれがある。その理由は、地球の自転の軸が太陽に向かって23.43度傾いているためであり、さらには太陽を回る軌道が楕円形であるためだそうだ。もちろん季節があるのもそのためのようだ。

 来年もまた、私たちの理解を超えた壮大な営みが繰り返されるのであろう。