九月の風

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[風を感じ、ときを想う日記](921)9/19

九月の風


 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。


 ・・・暑さから解放され、やっと一息つける季節がやってきました。秋といえばハギ、漢字では「萩」と書かれるほど秋を代表する花です。ハギは最初「生え芽(ぎ)」といわれていました。古い株の根元から毎年新しく芽を出すことからそう呼ばれていたようです。そのハエギが、いつの間にかハギに変わり、やがて萩という字が当てられるようになりました。


 この萩という字は、ハギが秋の代表的な花であることから、秋に草冠を載せた日本生まれの当て字のようです。中国にも萩という字はありますが、まったく別の植物だそうです。


 萩は荒地に真っ先に生えてくる開拓者精神に満ちた植物です。その内面は思慮深く、振る舞いはあくまでも控え目です。なんだか私たちの生き方と通じるものがあるようですね。・・・


 四十数年前、仙台に転勤した折、借りた家の庭にはなにもなかった。そこで、近くの空き地から萩を掘り起こして移植した。この住宅団地は、山を削って造成されたところだったので、真っ先に生えてきたのが宮城野萩だったようだ。


 しかし、庭としては風情のある形にはできなかった。結局、全面的に畑に切り替え、草花をたくさん植えて楽しんだ。