石垣島

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[エッセイ 498]
石垣島

 これから乗る飛行機は、ボーイング-737クラスがいいところだろうと想像していた。いままで抱いていた石垣島のイメージから、航空機の大きさはその程度だろうと思っていたのだ。ところが、機内に足を踏み入れて驚いた。通路が2本あるではないか。国内最大クラスのボーイング-777だった。

 沖縄への観光客数がハワイを上回ったと話題になっているが、その恩恵を十分に享受しているのかもしれない。いや、もしかしたら、その盛況を陰で支えている側かもしれない。沖縄県への観光客数は約940万人、石垣島のそれは約138万人、新石垣空港の利用客は約250万人で全国の17番目である。

 空港の出口に、消毒用のマットが敷かれていることに気がついた。他では見かけないので、ちょっぴり驚くととも、ここが隔絶された場所であることを実感させられた。なんでも、家畜の法定伝染病・口蹄疫の侵入を防ぐためだそうだ。さすが石垣牛の、そして水牛車の有名な土地である。

 この、石垣島を中核とする八重山地方は、12の有人島と無数の無人島からなっている。西端は与那国島、南端は波照間島で、まさに日本の南々西端である。自治体別の人口は、石垣市49,462人、竹富町4,277人、与那国町1,711人、1市2町合計55,450人で構成されている。

 ちなみに、石垣市の領域は石垣島とほぼイクオールであるが、竹富町にはそれ以西の与那国島を除く八重山列島の大半が含まれている。もちろん、この地域最大の島西表島竹富町に含まれる。ただ面白いことに、竹富町役場は竹富島ではなく、石垣市の市街地、石垣市役所のすぐ近くに構えられている。

 観光目的で訪れたのに、その他のことに目を奪われてしまった感がある。しかし、本来の目的を忘れてしまったわけではもちろんない。海の名所・川平湾の魅力を、ガイドブックが次のように紹介してくれている。「真っ白い砂浜に、光の加減によって7色に変化する海、湾内にぽっかり浮かぶ小さな島々」。そして、グラスボートによる海中探査。海の魅力なしに石垣島を語ることはできない。

 もう一つ驚いたことに、石垣島には立派な鍾乳洞がある。20万年前に海底が隆起してできたものだそうだ。全長は3.2キロ。果てしなく続く曲がりくねった空間、高い天井、長く伸びた鍾乳石。いずれも本土のそれらと遜色はない。鍾乳石の成長は3年で1ミリと日本最速だそうだ。

 さらには、食べ物もユニークである。沖縄サミットで絶賛された石垣牛、香辛料ピィーヤシで引き締められた八重山そば、ずっしり太めのもずく、それらをいっそう引き立てる泡盛、食の最後を彩るのは山盛りの南国フルーツ。次の機会には、ゆっくりと滞在し、じっくりと味わってみたいものだ。
(2018年11月5日)