サクラの雑種繚乱

[風を感じ、ときを想う日記](1247)4/2

サクラの雑種繚乱

 

 今年は、ソメイヨシノの開花がずいぶんと遅い。“名門の系統としてはまだその時期ではない”とモッタイをつけているのだろうか。あるいは、“あわてて出ていくと安っぽく見られる”などとみんなをじらしているのかもしれない。いずれにしても、近年の傾向としては異常といえるほどの遅さである。

 

 ソメイヨシノがそうだからといって、ほかの種類の開花も遅いかといえばそうでもない。ひとからげにヤマザクラと呼ばれている花は順調に開いている。いわば雑種繚乱である。モモなども季節の変化について行っているようだ。あの種類だけが、なにか特別な異変にでも見舞われているのかもしれない。

 

 晴天に恵まれた今日も、心身の健康維持にと散策に出かけた。いつもの公園まできてふと奥の方に目をやると、1本のサクラの木に白い花が枝いっぱいについていた。2本あるうちの片方だけで、もう1本はまだつぼみの状態である。いま花をつけているのは、どうみてもヤマザクラの雑種の方である。

 

 近隣を歩いているうちに次々とサクラの開花に出くわした。ただし、みなちょっとばかり控えめで、あれほどの艶やかさはない。それでも、桜であることに変わりはなく、春のウキウキ感を刺激させてくれるには十分な咲き具合である。

 

 お天気は、明日からしばらくは、好天はあまり期待できないという。せめてソメイヨシノの満開時期だけでも、なんとか晴天に恵まれるよう願ってやまない。