給湯システムのトラブル

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f:id:yf-fujiwara:20211123133951j:plain[エッセイ 612]

給湯システムのトラブル

 

 この十日間、給湯システムのトラブルとの闘いに明け暮れた。11月中旬の、日曜日の夜のことだった。入浴準備のために浴槽に湯を入れた。気のせいか、いつもよりお湯の温度が低いように思えた。わが家で使っている貯湯式電気温水器の性能が落ちてきたのかもしれない。風呂から上がり、引き出しの奥から古い保証書を取り出してみた。取り替えから21年が経っていた。

 

 翌日、その機器を設置してくれた業者に電話し、寿命が尽きる前に新しいものと交換しておきたいと申し入れた。そしてその夜、風呂に入ろうとしたら、湯はぬるくしかも少ししか出なかった。本当にだめになったのかもしれない!三日目の朝、早急に手配してくれるようあらためて頼み込んだ。四日目の朝、業者が見積書を持参し、機器の入荷に2~3ヵ月かかると告げていった。

 

 なんでも、半導体不足がたたる一方、ベトナムにおけるコロナ禍のロックダウンが決定的な影響を及ぼしているとのことだった。ネットで調べてみたら、日本の全メーカーが同じ状況に置かれていた。車産業が苦境にあることはよく知られているが、まさか給湯器まで、それも全メーカーが同じような状況にあるとは驚きだった。その業者には、使用中の給湯器の、修理の手配も頼む一方、使わなくなって久しい追い炊き用のガス釜の取り替えもあわせて頼んだ。

 

 給湯器のトラブルとその対応についてはあらかたこんな状況だったが、トラブル発生以降のわが家の入浴も、それなりにけなげな闘いを強いられた。私自身は、2日目から6日目までの5日間は、朝わずかに出てくるお湯でシャワーの代わりとした。そして、7日目と8日目は、市立の老人福祉センターで入浴させてもらった。一方の家内は、近所の温水プールのシャワーと老人福祉センターのお風呂を交互に組み合わせて利用させてもらった。

 

 そして昨・9日目、機器メーカーの技術者が来てくれた。機器本体はどこも悪くなく、正常に機能している。機器から先、浴槽までの配管のどこかに水漏れがあるはずだということになった。水の流れを止めれば、機器の内部で湧かされたお湯は機器本体からは流れ出さずそこに留まっているはずである。その夜、水道水が機器に流入する手前のバルブを止め、深夜電力の活躍を待つことにした。

 

 10日目の今朝、給湯器本体手前のバルブを開け浴槽にお湯を入れてみた。お湯は、トラブル前と同じように順調に出てきた。よし、これなら入浴は大丈夫だ。お陰で、久し振りの朝湯に、湯足り(ゆったり)とした気持ちを取り戻すことができた。しかし、問題の根源が解決したわけではない。これから先、屋内配管の漏水箇所を見つけ出して取り替えるという難工事が待っている。もちろん、来年になるはずの給湯器本体の取り替えも控えている。

                     (2021年11月23日 藤原吉弘)