小満

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[風を感じ、ときを想う日記](964)5/19

小満


 明日は、二十四節気でいう「小満」にあたる。万物に、生気が満ちあふれてくる季節の様を、たった二文字で見事に言い表している。時刻でいうと、午前10時過ぎといったところだろうか。真夏はともかく、他の三つの季節にあってはもっとも希望に満ちた時間帯に相当する。


 海のすぐそばで育ってきたこともあって、潮の干満が人の気持ちに影響する様もまた肌身で感じてきた。上げ潮になると、なにもなくてもだんだん希望が膨らんでくるように思われる。逆に引き潮になると、どこかで寂しさを感じてしまう。まさに、枯れ葉散る秋の夕暮れを思わせる。


 このところの、国内のコロナウイルス感染者数の減少傾向を見ていると、もうすぐ巣ごもり生活から抜け出せそうに思えてくる。潮が満ちてくる。万物に生気が満ちてくる。小さな光明が、徐々に大きくなってくる様が、肌でひしひしと感じられる。あたりにもそんな雰囲気が色濃く漂い始めた。


 しかし、本当に大丈夫だろうか。一瞬の気の緩みが、第二波をあっという間に大津波に変貌させかねない。それでなくても、いまだ感染者が増え続けている国が多数あり、わが国にすぐにでも飛び火してくる心配もある。現代社会では、対岸の火事などと安心できるような状況はどこにもない。


 小満が、巣ごもり生活から抜け出せるチャンスとなるようガンバリたい。