［風を感じ、ときを想う日記］（９５６）４／２
耳鳴りは治る？
いちど全快した耳鳴りが、半年あまりで再発して久しい。もう直らないものと諦め、それに慣れること、そしてそれを忘れることに努めてきた。そんな折、新聞のテレビ欄に「キーン つらい耳鳴りから解放――新発想の自力治療とは――意外！長引く理由判明――脳が暗躍ドッキリ実験」という予告が出た。ＮＨＫの人気番組：ガッテン！の予告である。
新聞のこんな予告を見て、大きな希望を抱いた人は多いのではなかろうか。私もメモを用意し、念のためにと録画まで予約してテレビにかじりついた。一語一句たりとも聞き逃してはならないと構えていたわけである。サブタイトルに、“治療”という言葉がある以上、病気が直る方法があるものだと受け止め、大きな希望を抱くのは当然のことである。
しかし、結局は自力で、「それに慣れること」、「それを忘れること」、の方法に終始していたようだ。それを、あたかも大発見があったように喧伝したことに大いに失望し怒りさえ覚える。４月１日の午後７時３０分からの４５分間は、“エイプリル・フール”を実際にやって見せたに等しい。
こんな中途半端な番組のおかげで、せっかく忘れようとしていた耳鳴りをあらためて意識するようになった。おかげで、いままでの努力は水泡に帰した。もっとも、日付を忘れて踊らされた視聴者がバカだったのかもしれない。
