ど根性根

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](77)3/12
ど根性根

 わが家の敷地内にある汚水桝が溢れ出した。桝の蓋を開けてみると、中は汚水でいっぱいだった。太い針金を見つけて、排水管の方向につついてみたがなかなかうまくいかない。

 それでも、詰まりそうな場所を探りながら根気よくつついた。突然、すっと抜けるような感覚が手に伝わり、汚水が少しずつ引き出した。やっと全部なくなった。見ると、汚水桝と排水管の継ぎ目から木の根が伸びていた。

 最初は小さなものだったのだろう。それがだんだん大きくなり、排水管の口を覆いかくすほどに成長していた。そこにペーパーの切れ端などが引っかかり、とうとう完全にふさがってしまったのである。

 この家ができて25年になる。そのとき、排水管に沿って山茶花を植えた。垣根は立派に成長し、赤い花をつけて私たちを楽しませてくれる。しかし、その花は、見えないところでの血のにじむような努力があっての華であった。

 根とは、根性の塊のような存在らしい。