コロナ下の七福神めぐり

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[エッセイ 580]

コロナ下の七福神めぐり

 

 寒さの厳しい真冬は、とかく出無精になる。まして、コロナ禍で外出自粛が推奨されている昨今ではなおさらである。このままでは、だれもが心も体もともに衰退させてしまうことになる。そこで、あらためてその効用が見直されているのが、正月明けに各地で行われている七福神めぐりである。神奈川県内だけでも十四箇所にのぼる盛況ぶりである。

 

 七福神めぐりは、聖地巡礼のもっとも簡略なものにスタンプラリーの要素を加えたものということができる。幸い、日本には幸運を呼ぶといわれるいろいろな神さまが、各地の神社やお寺に祀られている。年の初めに、その神さまを訪れて幸運を祈り、決意をあらたにできれば一石二鳥となる。この藤沢でも、観光協会主催で23年前から毎年1月に行われている。対象となる神さまは、内陸の6箇所と海沿いの2箇所である。

 

 私の七福神めぐりは、今年は所用の機会を利用したので細切れとなってしまった。なんと、4回に分けてのお参りとなってしまった。そんなことから、「順々に巡る」という趣旨からはかなりかけ離れたやり方になってしまった。しかし、「お参りする」という点からは、なにかの「ついで」であろうとその方法の是非を問われることはないはずである。

 

 最初に訪れたのは、どんど祭を見物にいったときのついでである。白旗神社の境内に祀られている毘沙門天にお参りした。2度目のお参りはその翌日、マイナンバーカードの更新手続きのために市役所を訪れたときである。その近くにお祀りされている感応寺の寿老人、諏訪神社の大黒天、そして常光寺の福禄寿の3箇所についでにお参りした。 

 

 そして3日目は、買い物に訪れたスーパーの近くにある養命寺の布袋と皇大神宮の恵比須についでにお参りした。こうして、6箇所まで漕ぎ着けてみると、残りは放っておけないのが人情である。まだお参りしていないのは、龍口寺の毘沙門天江島神社の弁財天である。海沿いで、わが家から離れているので、その日の午後車で出かけることにした。

 

 最後に訪れた江の島は、観光地であるだけに想像以上に混み合っていた。土曜日で、好天に恵まれていたせいもあるが、若いカップルや家族連れが多かった。社殿の前やたこせんべいのお店には長い行列ができていた。それでも、距離は適度に保たれており、風が強く屋外でもあることから、感染のリスクはほとんどないといってよさそうだ。

 

 あちこち持ち歩いたスタンプの台紙には、ただ一箇所空欄が残っていた。そこに、弁財天のスタンプを心を込めてゆっくりと捺した。

                            (2020年1月16日)