トウモロコシ

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[エッセイ 491]
トウモロコシ

 近所の農家で、トウモロコシを格安に分けていただいた。スイートコーンと呼ばれる甘味種、そのうちの黄色に白い粒の混じったバイカラー粒種というものだった。その日の朝、早起きして採ってきたものだそうだ。まだ朝露に濡れたままで、鮮度は抜群だった。さっそく茹でて、火傷しそうな熱々を3時のおやつにいただいた。ジューシーで、甘みもたっぷりと詰まっていた。

 現役引退以来、三時のおやつをいただく習慣がついてしまったが、つまむものはなるべく甘いものは避けるようにしている。普段は、バナナや枝豆などほとんど手を加えない自然のものを中心にしているが、今回それに茹でトウモロコシが加わったことになる。結局、スイートコーンを3日も続けてしまった。

 トウモロコシはイネ科の一年生植物で、小麦や米に並ぶ世界の三大穀物の一つといわれている。穀物として人間の食料や家畜の餌となるほか、デンプンや油、あるいはバイオエタノールなどの原料としても広く利用されている。その歴史は古く、紀元前5000年ごろにはすでに大規模栽培されるようになっていたと推測されている。

 トウモロコシの雄花は、その先端からススキのように突き出てくる。雌花は脇の節々から包葉につつまれて頭を出す。ただ、顔は見せず、代わりに絹糸と呼ばれるヒゲ状の長い雌しべを束にしてその先端から伸ばす。めしべが受粉するとその数だけ粒が実る。受粉は自家受粉もあれば、他所から飛んできたもので受粉する場合もある。一房あたりおよそ600粒くらいはあるという。

 トウモロコシの旬は夏、とくに7月が最適だそうだ。茹でる、焼く、蒸す、いずれの方法で調理しても美味しくいただける。トウモロコシは炭水化物が多いという。胚芽のつけ根にはビタミンE,B1、B2、カリウム亜鉛、鉄なども含むそうだ。トウモロコシに豊富に含まれるリノール酸コレステロールを下げる効果があり、またセルロースは腸をきれいにするといわれている。

 そのまま食べることにできるトウモロコシは、スイートコーンと呼ばれる甘味種が中心だそうだ。黄色い粒の中に三分の一くらい白い粒が混じったバイカラー種、黄色い粒だけの黄色粒種、それに白い粒だけの白色粒種がある。選び方は、実が先まで詰まっているもの、ふっくらとしており、つやのあるものがいいそうだ。鮮度が落ちやすいので早めにいただくことが肝要だという。

 わが家の夕食はたいてい和食であり、汁類はおのずから味噌汁となる。ただ、昼食に限っては、そのメニューしだいでコーンスープを登場させることがある。ピラフやパスタなど洋食系の場合である。冬場、散歩に出かけたときなどは、自動販売機でコーンスープを買うのを楽しみにしている。
(2018年8月7日)