白いヒガンバナ

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[風を感じ、ときを想う日記](715)9/18
白いヒガンバナ

 ヒガンバナを見かけたのは今週初めのことである。いつもの場所にいつものように咲いていた。しかし、開花時期はずいぶん早い。その時点で、彼岸までまだ十日もあったのに。これも気候のせいだろうか。夏の間、異常な暑さが続いたかと思ったら突然涼しくなり、そのまま秋になだれ込んでしまった。

 同じころ、近所の別の場所では白いヒガンバナの群落が表れていた。河津桜の名所になりつつあるあの畑の土手である。ちょうど雨が降っていたので、撮影はまたの日にしようと見送ったところそのまま忘れてしまっていた。数日たって、突然思い出し出かけてみたら、すでにかなりのものが盛りを過ぎていた。

 それでも、半分近くはまだ十分に見応えがあった。ここの花はすべてが白である。大規模な群落の中に、時たま白を見かけることはあるが、ここでは数十本全部が白である。形は赤と全く同じ。赤の突然変異なのか、なにか別のものとの交配種なのか、あるいはまったく別の種類なのだろうか。

 いろいろ調べてみたが納得いくような説明は見つかっていない。ただ、花の印象だけは極端に違う。赤は情熱的で、一つ間違うと毒々しくさえ見える。それにひきかえ、白は清楚そのものである。しかし、どうしても人生の終末を飾るにふさわしい花に見えて仕方がない。

 やはり、“彼岸”花が背負う宿命なのだろうか。

写真:上は主題の白いヒガンバナ
   下は過去に撮った赤いヒガンバナ