車検

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[風を感じ、ときを想う日記](122)10/15
車検

 自動車には、カナヅチくらい積んでおいたほうがいいといわれる。誤って川や海に転落したとき、車が水没する前に脱出しようとしてもドアは水圧で開かないそうだ。そこでウインドウガラスを開けようとするが、電動モーターは水でショートして動かないという。窓ガラスをカナヅチで叩き割る以外、助かる方法はないということだ。

 二昔前なら、ハンドルを回せば窓ガラスは手で簡単に開けられた。しかし、最近の車はパワーウインドウがあたりまえになっている。普段はいたって便利がいいが、緊急事態のときはそれがかえってアダとなる。

 今回、似たような事例で、おまけにきわめてナンセンスな事態に直面した。昨日、車検のために預けてあった車をディーラーに引きとりにいった。運転席に座ったところ、背もたれが垂直に近い状態に起き上がっていた。少し後ろに倒そうとしたがまったく動かない。

 その場で点検してもらったところ、背もたれの角度を調整するためのモーターがダウンしていた。一旦は動いたはずなのに、その後でだめになったのだろうか。無責任な話である。どうせ一人しか乗らないのだから、それを外して適当な角度に固定したらどうだろう。しかしそれはできない相談だという。結局新しいものを取り寄せることになったが、いつになるかは分からないそうだ。

 車は一旦引きとり次の連絡を待つことになったが、帰りの窮屈な姿勢での運転は怒りを増幅させるばかりであった。