紅梅

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[風を感じ、ときを想う日記](837)2/22
紅梅

 いま、ウメが花盛りである。遊行寺の境内で、節分の日に初めて見かけて以来、いろいろなところでつぎつぎと見られるようになった。感心している内に、紅梅も散見されるようになってきた。紅は、白に比べずっと華やかである。色の種類も、白っぽいピンクに近いものから黒っぽい深い紅色まで様々である。

 気のせいか、白い梅はほったらかしにされていることも多いようだ。藪の中にひっそりと咲いているものまで見かけることがある。それに比べ、紅梅は大抵が庭の一番大切な場所に植えられ、手入れもしっかりとされているようだ。それだけ、観賞用としての価値を認められているということだろうか。

 そこで、白梅と紅梅の違いについて調べてみた。結果は、よく分からないというのが結論である。強いて違いを挙げるとすれば、切り倒され材木になったあとである。花の色がそのまま木の色に反映されている。白梅は全体に白っぽいのに対し、紅梅は赤みを帯びている。それが中心に行くほど濃くなっている。

 材木としての汎用性という点では、白梅の方が遙かに広そうだ。両者とも、きめが細かく固さにおいても一級品である。しかし、紅梅は、色が濃い分、個性に富み、特定の工芸品に利用されることが多い。大は床柱から、彫像などの彫刻ものや高級小型家具、あるいは算盤の珠や櫛などの小細工品まで。
 
 花だけでなく、材木としての価値ももう一度考えてみてはどうだろう。