ふる里の春の海

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[風を感じ、ときを想う日記](685)3/26
ふる里の春の海

 所用があって、半年ぶりにふる里に帰った。ちょうど、南下してきた寒気団に遭遇して結構寒かった。それでも、その見返りに晴天には恵まれた。雲に覆われた暗い空より、少々寒くてもすっきり晴れわたった青い空の方がはるかに気持ちがいい。ふる里の風景も、いっそう輝いて見えるというものだ。

 用件を早めに片付け、合併前の町域をくまなくドライブしてみた。海岸線はもちろん、尾根筋に当たるところにも立派な道路が通じている。主要道はともかく、スカイラインと呼べる高規格農道では、すれ違う車にめったに出会うこともない。なんで、こんな万里の長城のようなものを造ったのだろう!

 足を伸ばして沖家室島にも渡ってみた。もちろん橋が架かっているので車でそのまま乗り込める。かつては4千人だったという人口は、いまでは百数十人にまで落ち込んでいるという。しかし、意外と賑やかだった。とくに漁港にはたくさんの漁船が係留されており、過疎という言葉が空疎にさえ思われた。

 それにしても海はきれいだ。漁港に続く海峡も、スカイラインから眺める瀬戸の海原もすっかり春の様相を呈していた。海中では、春告魚(メバル)や鰆(サワラ)が活発に泳ぎ回っているに違いない。

 そういえば、一泊をお願いした実家近くの民宿では、シロウオまでもが夕食のお膳を賑わしていた。

写真:実家のすぐ近くからの海の風景。18年間この風景を眺めて育ちました。