雪中桜

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](623)2/17
雪中桜

 近所の畑に植えられた紅梅が、急ににぎやかに見えるようになった。その梅たちは、かさ上げされた場所に立っているので、花はかなり高いところにあった。ところが今日は、その紅の花がすぐ目の前に群がっている。

 感心しながらよく見ると、その木は道路側に少し傾いて倒れそうになっていた。どうやら、あの湿った大雪を支えきれなくなったのだろう。それでも、花たちは今を盛りと、顔を真っ赤に染めながら頑張っている。

 ところで、もう十日も前から気になっている桜がある。すっかり大きくなった河津桜たちの脇に植えられた一本の幼木である。なんと、2月初旬から花をつけ始めた。大人の桜たちは、その時期の到来をじっと待っているというのに、子供であるがゆえに早とちりをしてしまったのだろうか。

 豪雪にさえぎられ、その後の桜の様子はしばらく見に行っていなかった。足元もよくなったので、今日久しぶりにそこまで足を運んでみた。まだまばらだが、あの濃い桃色の花びらを陽光に輝かせていた。硬いつぼみのままの隣の河津桜たちとは、同じ種類であることに疑いはないようだ。

 2月に入ってすでに2度も大雪に襲われ、今週半ばにはまたあらたな雪が予想されている。雪中梅とは、お酒に限らずよく耳にする言葉だが、河津桜の普及とともに雪中桜もごく普通の光景に変っていくのだろう。