黄色いユリ

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[風を感じ、ときを想う日記](580)6/21
黄色いユリ

 雨戸をあけると、突然、花の甘い香りが飛び込んできた。見ると、黄色いユリの花が一輪開きかけているところだった。たしか、新聞販売店が各戸に一斉に配ってくれた球根から育ったもののはずだ。

 春に芽を出した1本だけのユリの茎は、上に向かってまっすぐ伸び、1メートル近くにまで達している。その茎には、笹のようなスマートな葉っぱが、2センチおきくらいにてっぺん近くまで生えている。そして、その先端部分には6個の蕾が付いていた。この日の朝、その一番下のものが開花した。

 花びらは6枚ある。ものの本によると、大きい方の3枚が花びらで、あとのやや小ぶりなものは“がく”だそうだ。色は、オレンジがかった黄色である。これら6枚はいずれも外側に大きくカールしている。花の中央にはめしべが1本、それを取り巻くように茶褐色のおしべが6本風にゆらゆら揺れている。

 最初の1個が開いたのは5日前、それが2個3個と増え、今日は4個になった。あとの2個も一両日中には開くだろう。いま町内のあちこちで、同じ種類のユリがアジサイに混じって咲き競い、みんなを楽しませてくれている。

 それにしても、わが家もそうだが、近所で他の種類のユリを見かけることはほとんどない。昨年も一昨年も、ユリは植えられ、球根は地中に残っているはずだが、もう生えてくることはないのだろうか。