トマトの直売

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[風を感じ、ときを想う日記](570)5/4
トマトの直売

 毎年、このシーズンになると、ハウス栽培のトマトが現場で直売される。住宅街から大きく外れた野中の一軒家ならぬ畑中の一軒ハウスの中である。散歩がてらとはとてもいかないので、車で向かうことにした。販売は午後3時からとなっているが、そこにはすでに長い行列ができていた。

 あまりの長さに、その人数を数えてみたらちょうど50人だった。それでも私たちの後ろにはさらに多くの人が連なってきた。30分後、やっと新鮮なトマトを手にすることができた。1キロのつもりだったが、雰囲気に飲まれてその倍の量を買ってしまった。

 毎年のことながら大変な人気である。他にも野菜を直売している農家はいくらでもあるのに、なぜトマトだけのこの店に人気が集中するのだろう。新鮮でうまいことに異論はないが、スーパーの商品に比べ突出しているとは思えない。もちろん、1キロ500円と、特別安いわけでもない。

 その農家では、店を開ける前に販売用を大量に用意している。それでも、足りなくなると売れるはしからどんどん収穫してくる。目の前でそれをやられると、私たちはそのトマトが特別なものであるかのような錯覚にとらわれる。

 露地物が出回る5月下旬まで、このマジックショーは延々と続けられることになりそうだ。