秋深し

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[風を感じ、ときを想う日記](538)11/5
秋深し

 秋は、今日を入れても立冬まであと2日しかない。彼岸のころには、まだ暑いあついといっていたのに、あっという間に暖房の要る季節になってしまった。最近、秋が短くなったとよく耳にするが、まったく同感である。

 秋になると、その様子を「つるべ落としの・・」と形容されることがある。国語辞典では、これを「秋の日などの急に落ちるさま」と説明している。夏を過ぎると、昼間は駆け足で短くなっていく。気温は、涼しさを通り越して、急速に肌寒さを募らせていく。午後になると、お日さまは大急ぎで西に傾き、あっという間に暗くなる。秋が進んでいくことを「深まる」ともいうが、ここにも季節の深みに落ちていく様が婉曲に表現されている。

 アメリカでは、秋のことをautumnといわずfallということがあるそうだ。これもいい得て妙である。英和辞典でfallを引いてみると、落ちるという意味合いのほかに、滝(waterfall)や秋(autumn)という訳が出てくる。語源からは少々異色ではあるが、跳ねるという意味のspringで春のことをいうとすれば、fallも十分納得のいく使われかたである。

 晩秋の日曜日、ホームコースでは“霜月杯”という月例のゴルフコンペが行われた。雲一つない秋晴れに恵まれ、私は穏やかな気持ちでプレーできた。秋の深まった昨日、みんなはどんな過ごし方をしたのだろう。