サクラの名札

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[風を感じ、ときを想う日記](435)4/27
サクラの名札

 以前住んでいた住宅公団の団地は、私のお気に入り散歩コースの一つである。空間が大きく広がっており、木や花がたくさんあることが私を引き付ける魅力になっている。もちろん、わが家の起点となったところであり、家族との思い出もたくさんつまった場所であることもその理由の一つである。

 入口まで約15分、ひと回りしてくると40分以上かかる。先日、郵便局に用事があったので、その先の団地まで足を伸ばした。途中、あるお宅の庭に、見事なボタンの咲いているのが目にとまった。カメラをもってくればよかったと、そのときになって悔やんだ。

 団地に入ると、ロータリーに立つ八重咲きの桜が、ピンクの房状の花を枝いっぱいにつけていた。やや盛りを過ぎてはいるがまだ十分に楽しめる。ふと、その幹にぶら下げられている名札が目にはいった。「ソメイヨシノ」。

 花のない時期に、勝手に推測して付けたものだろうか。しかし、間違った表示は困る。団地の中心部であり、小学校も近くにある。その足で管理事務所に出向き、事務員にそのことを告げて書き直すようお願いした。

 翌日、あの見事なボタンのことを思い出した。今度は、カメラを携えてそのお宅に向かった。ついでに、あの八重咲きの「ソメイヨシノ」も見てきた。まだ名札はぶら下がったままになっていた。