悪夢の助演者・買いだめ

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[風を感じ、ときを想う日記](426)3/20
悪夢の助演者・買いだめ

 ガソリンスタンドには、何百メートルもの給油待ちの車が列を作っている。スーパーの棚からは、パンや米、あるいはレトルト食品が姿を消した。もちろん、乾電池のような非常時に必要な商品も軒並み売り切れている。

 それにしても、ガソリンやパンがなんでこんなに足りなくなったのだろう。生産設備や配送拠点が、地震のために決定的なダメージを受けたという話は聞いていない。被災者救援のため、それらを根こそぎ被災地に持っていったという話もない。結局、みんなが買いだめに走ったためとしか考えられない。

 報道によると、非常時に必要なこれらの商品は、いま通常の2~3倍は売れているという。あればもっと買いたいかと聞いてみたら、その量は通常の10倍に達したという調査もある。

 現在のモノ不足は、みんなが自己防衛のために買いだめに走った結果とみられる。他人の行動に触発されて、衝動的に買いだめした人も多かったはずだ。これでは、被災地に必要な物資も運搬手段も確保することはできない。

 外国のメディアは、この度の非常時における日本人の態度を称賛している。しかし、これではとても恥ずかしくて、それをまともに受ける気にはなれない。

 被災していない人は進んで被災者を支援すべきなのに、逆に被災者の足を引っ張ったり、悪夢を助長したりするような行動は厳に慎むべきである。