霜柱の立たない大寒

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[風を感じ、ときを想う日記](415)1/29
霜柱の立たない大寒

 早咲きの、紅白の梅が最盛期を迎えた。黄色い艶姿で年を越したロウバイや菜の花たちもまだまだ元気そうだ。わが家では、気の早いツバキがピンクの花をつけ始めた。ツバキは早春の花だと思っていたが、花たちは季節をいつも先取りしようとしているかのようだ。

 それにしても、彼女たちにはちっとも潤いがみられない。街路はもちろん、わが家の玄関先もベランダもいやに埃っぽい。公園の散策路では、白い霜柱に代わって灰色の砂埃が舞っている。冷え込んだ朝、5センチくらいにまで伸びた白い柱が、お昼ごろにはグチャグチャに溶けだして足元を汚す。あの真冬の風物詩はどこかへ行ってしまったのだろう。

 そういえば、もうずいぶん前から傘を差した記憶がない。東京のお天気をさかのぼって調べてみたら、昨年12月13日を最後にもう1ヵ月半も降っていない。しかも12月の雨はその1回だけ。なんと、11月も17日の1回だけなのである。地表の水分が干上がってしまったのも当然の、異常な乾燥状態におかれているのだ。

 それでも、あと1週間で立春である。気圧配置も様変わりし、日本の南岸を東に向かって低気圧が移動し、関東地方にも大量の湿った雪を降らせるようになる。“福は内”の掛け声とともに、春はすぐそこまでせまっている。