母の旅立ち

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[風を感じ、ときを想う日記](413)1/19
母の旅立ち

 2年前の1月7日、このブログ日記で「七草の節句」について書いた。その一節に、「『ツバメが来る前に、早く起きて食べなさい』。七草の朝、母からよくこんなことをいわれていた・・・」というのがある。今年の、その七草の日の早朝、ツバメの来る前に母はあの世へと旅立っていった。

 あれからもう2週間になろうとしている。その間、ブログ日記もずっとお留守になってしまった。もちろん多忙を極めたこともあるが、それ以上にその気持ちになれなかったことである。この日記に書くことが、母の死を本心から認めたことになるように思えたからである。
 
 お正月を3日後に控えた年末に最初の山がやってきた。ちょうど帰省していた私に、年を越すのは難しいと医師は告げた。しかし、懸命の治療が実ったのか、翌日にはいつもの穏やかな顔に戻った。これなら孫たちと箱根駅伝の応援に行けそうだと思い、Uターン覚悟で一旦自宅に帰ることにした。母急逝の知らせを受けたのは7日の早暁であった。
 
 母の死に顔は穏やかだった。きれいに化粧をしてもらい、眠っているようでさえあった。よくぞここまで生きぬいた。決して平たんではなかったが、94年におよぶ生涯を、女として母として立派に生き切った。

 大往生であった。