郡人会新会長挨拶

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[風を感じ、ときを想う日記](405)12/3
郡人会新会長挨拶

 恒例の郡人会が、昨夜表参道のダイヤモンドホールで開かれた。100年以上の伝統を持ち、今回で127回目の年次総会を迎えた。なんと100名を超える人が集まり大盛況となった。

 来賓も多数かけつけてくれた。冒頭のスピーチだけで7名になった。新・旧会長、故郷の町長、故郷の県議会議員、衆・参国会議員、それに特別なお客様として先日亡くなった星野哲郎さんのご長男が加わった。新旧会長が前後して挨拶するようになったのは、会長の選出が総会の議決事項であったためだ。
 
 そうそうたる顔触れなので、新会長を引き受ける私も気の利いたことをいわなければならないと思い、それなりのことを考えて臨んだ。しかし、当日になってこのような顔触れが固まったので、私のスピーチは大幅にはしょることにした。

 せっかく事前に考えていたので、以下にその骨子を挙げることにする。

 「長男がまだ高校生の頃、わが家の家系図を見たいといいだした。私にはそのことがピンとこなかった。あれは単なる“図”でしかないと思っていた。
長男は、縁もゆかりもないところで生まれ育った、いわばパラシュート部隊のようなものである。ルーツを知りたがるのは当然といえる。

 私にとってのルーツは、故郷の山であり海であり街でありそこに住む人たちだった。家系図で書かれた“図”ではなく、故郷のトータルがルーツだった。
 私にはいざとなったら帰るところがあった。私には生まれ故郷というしっかりとした“根”があった。
長男にはその根に相当するものがない。いわば、“根なし草”であり、浮き草のようなものだ。長男の求めるルーツとは、まさに“ルーツ=根”そのものだったようだ。

 そこで長男に対しても、家系図なんかではなくルーツを共有する人たちと会って話しをするのが一番いいと思い、町人会に2年続けて参加してもらった。
 町人会や郡人会は、自分のルーツを肌で確かめあうことのできる数少ない交流の場である。
 郡人会は、『自分のアイデンティティをしっかりと確認する場である。そこでもう一度自分を見つめなおし、自信を取り戻し、さらには自信を深めていくためのサロンである』・・ということがいえよう。

この郡人会にみんなが気軽に参加でき、同じルーツを持つ者同士の交流が実り多いものとなるよう、みんなで努力していきたい。」