[風を感じ、ときを想う日記](359)6/4
三度目の正直
神奈川県の西端、湯河原温泉には、幕山公園という梅花の見事なスポットがある。その梅林が整備され、一般に公開されるようになって15年が経つ。湯河原温泉の旅館組合では、そこを集客の目玉に育てようと観梅の来場者にアンケートしていた。応募者には抽選で1万円の宿泊補助券が当たるという。
どうせ当たることはないだろうと思っていたら、忘れたころ「当たりました」とその宿泊補助券が送られてきた。せっかくだから、5月の連休明けにでも行ってみようと適当な旅館を見つくろって予約した。ところが、直前になって母が緊急入院することになりキャンセルせざるをえなくなってしまった。
実はこの旅館、別のシーズンだったが数年前に一度予約したことがある。このときも母が緊急入院してキャンセルした。今回も母は落ち着きを取り戻したが、同じ旅館に三度目の予約を入れる気にはなれなかった。
週間天気予報を睨みながら新たに予約した旅館は、立地も設備もイメージしたものとは多少ずれていた。それでも、地元の魚介類がふんだんに盛られた料理は、私たちを期待以上に堪能させてくれた。
今度は母の異常も伝えられず、三度目は好天にも支えられて満足のうちに叶えられた。
写真 上:湯河原の新名所を目指す「さつきの郷」からの眺望・・相模湾と真鶴半島&初島
下:幕山公園の梅林・3月訪問時撮影