モクレン

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[風を感じ、ときを想う日記](342)3/19
モクレン

 ハクモクレンが、華やかににぎやかに咲き誇っている。わが家の近くの県道には、両側の歩道に約2キロにわたって白い帯が連なっている。季節限定ではあるが、なんとも豪勢な眺めではある。

 その並木にぶら下げられている名札を見てアレッと思った。「白木蓮」と書かれたものと「白木蘭」と表示されたものが入り混じっている。辞書で調べてみたら、両方の漢字が並べてあった。

 「木蘭」はその花がランに似ていることから蘭の字を当て、「木蓮」はハスの花に似ていることからそう呼ばれるようになったという。どうやら、木蘭と書くようになったのは、紫色のシモクレンが頭にあったようだ。しかし、いまどき「モクレン」とはいっても「モクラン」という人はいないので、漢字で書くとしたら木蓮とするのが妥当なようだ。

 今を盛りのこのハクモクレンも、もう少し経つと見るも無残な姿に変わり果てる。純白の花ビラが茶色味をおび、地上に落ちるころにはすっかり黒褐色に変色する。地上でも、図体が大きいだけにいつまでもその汚さを晒すことになる。散ったら、さっさと片づけてやるのが人情というものではなかろうか。

 季節は進み、舞台の主役は白木蓮から「紫木蓮」へと入れ替わっていく。