雀Ⅱ

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風を感じ、ときを想う日記(270)5/12


 4年前、雀についてエッセイを書いた。一部の方にはお読みいただいたが、ブログでは未公開のままになっていた。ちょうど同じ季節を迎えた昨日、そのエッセイをホームページに投稿した。

 そこに登場するお隣の家では、今年も雀たちが子育てに精を出している。しかし、先日読んだ新聞記事によると、このところ雀がすっかり少なくなっているそうだ。一説によると、日本の雀の数は、半世紀前の一割の水準にまで落ち込んでいるという。

 農家では、お米を食われる心配がなくなり大変喜んでいるそうだ。みのりの秋になると、あちこちの田んぼから雀を追い払うための爆発音が聞こえてくる。しかし、そんな物騒なものも、もう必要なくなったということだ。一方、雀の焼き鳥を売り物にしているお店では、原材料が品薄になり値段も上がって困っているという話もある。

 日本の原風景の一つは竹に雀であるが、竹ばかり繁盛したのではその景色も片手落ちになる。「天地人」にも登場する上杉家の家紋は「竹に飛び雀」であるが、その取り合わせさえ不自然に思えるときが来るのだろうか。

 まさか雀が絶滅危惧種になろうとは、誰が想像したであろう。