e-Tax Ⅱ

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[エッセイ 234](新作)
e-Tax

 テレビの報道によると、日本は納税の電子化で他の先進国に比べ大きく出遅れているという。去年、私はそのe-Tax(電子申告・納税)にチャレンジしようとした。しかし、使っているパソコンの基本ソフト(OS)が時代遅れであったため、その時は断念せざるを得なかった。
 
 国税庁の説明書には、事前準備として電子証明書とICカードリードライタを用意するようにとあった。パソコンは新しく買い換えたばかりなので、再チャレンジしようと決意も新たに電器店に出向いた。電子証明書にもなるはずの住基カードを示し、それに対応するICカードリードライタを買い求めた。住基カードは昨年交付されたばかりで、今回初めて使うことになる。

 国税庁のホームページから「e-Tax」を検索すると、すぐその手続きに入ることができた。まず、開始届出書を送信し、利用者識別番号とそれの暗証番号の返信をもらった。つぎに、ICカードリードライタを接続し、住基カードを挿入して初期登録(電子証明書の登録)をしようとした。

 「暗証番号を・・」の指示に従い入力したが認識できないとのメッセージが返ってきた。2回目もまた同じであった。実は、この段階から国税庁の電話サービスを利用し、担当者に教わりながら操作していたがそこで行き詰ってしまった。電話の向こうとやり取りしながら、暗証番号を何度も入力しなおしているうちに、とうとうそれにロックがかかってしまった。

 翌朝、市役所に出向き、暗証番号の復活手続きをした。そのとき、この住基カードには電子証明書の機能は入っていないことを初めて知った。仕方なく、あらためて住基カードへの上書き入力の手続きをした。昨年、住基カードを作るときそのことがわかっていたら、無駄な手間をかけなくて済んだはずである。

 住基カードを使っての電子証明書の登録は、今度はすんなりと終わった。いよいよ計算書へのデータの入力である。長年慣れ親しんできた手書きのものと全く同じフォーマットである。あとは、あらかじめ揃えておいたデータをどんどん入力していくだけである。ところが、やっぱりよくわからないところがでてきた。これで3度目のコールセンター、時間も累積で1時間を超えた。

 今回の電子申告では、ずいぶん遠回りをし、苦心もした。余分な費用もかかってしまった。しかし、来年からは作成作業もずっと楽になるはずである。医療費の領収書といった添付書類も省略できる。申告書の税務署への郵送料も助かる。おまけに、今回に限ったことであるが5000円の減税も適用される。

 今回のささやかなチャレンジが、納税の電子化促進に多少なりとも貢献できたとすれば、それだけで十分満足である。
(2009年3月14日)