[風を感じ、ときを想う日記](207)10/2
秋晴れ
八重山や台湾を荒らしまくった台風15号は、前回の13号とほとんど同じコースをたどって日本に接近してきた。しかし、途中で腰砕けとなり、ただの低気圧になり下がってしまった。
それでもさすがは元台風、ブラックホールなみの吸引力で、雨雲や小さなチリのたぐいまで、日本中から吸い寄せ東の彼方に連れ去っていった。あとには抜けるような青空が残された。
耳を澄ませると、遠くから運動会のにぎやかな響きが伝わってくる。確かあの方角には幼稚園があったはずだ。そういえば、セミの声は途絶え、いつの間にかマツムシに代わっている。
近所に茂るハギは、ピンクと白のかわいい花をいっぱいにつけている。その傍らを歩いていたら、そっと鼻孔をなでられた。キンモクセイが数輪、黄色い小さな花をつけはじめていた。
今日の夕焼けはいつにもましてキラキラと輝き、里に下りてきたアキアカネをいっそう赤く染め上げていた。
最近の朝晩の冷え込みは、本格的な秋の到来を告げているのだろうか。