金融危機

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[風を感じ、ときを想う日記](206)10/1
金融危機

 今回の金融危機で、世界の株式時価総額は、11カ月前のピーク時に比べ2千兆円も目減りしたそうだ。これは、全世界であげるGDP(名目国内総生産)の約4割に相当するそうだ。

 米下院は、金融危機の打開策として提案された金融安定化法案を審議していた。ところが、共和党員の大量造反によって否決されてしまった。採決の結果は、賛成205、反対228であった。驚いたことに、野党の民主党が140:95だったのに対し、与党共和党は65:133と党員の3分の2が反対に回った。

 選挙目当ての造反ともいわれているが、政治不全は日本だけではなかったようだ。もちろん、法案そのものが公平性を欠く応急対策でしかなかったようだが、苦肉(9月29日)の策ではダメだ、と蹴とばしたのではシャレにもならない。米政府も議会も、世界に対しきちんと責任を果たさなければならない。

 今回の法案否決とそれに伴う新ブラックマンデーは、今後どのような展開を見せるだろう。株価は、とりあえずは下がりすぎた分少しだけ反騰するだろう。各国金融当局は、協調という名のもとに応急策を小出しにしていくだろう。あとは、米政府と議会の責任感と姿勢次第である。

 応急対策がうまくいき、恒久対策が軌道に乗っても、治癒にはなお5年から10年の歳月がかかるだろう。今度はアメリカが、「失われた10年」の轍を踏むのだろうか。