花の命は短くて・・

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[風を感じ、ときを想う日記](153)3/30
花の命は短くて・・

 桜花の下に張られた紅白の幕を背に、おばさんたち6人による琴の演奏が始まった。尺八のおじさん1人も加わって華?を添えている。親子で口ずさめるおなじみの曲が、辺りをやわらかな雰囲気に包み込む。おだかな日差しのもと、暑からず寒からず、頬を撫でるそよ風もまた心地よい。

 そのかたわらでは、女子高校生による抹茶の野点が行われていた。席は、高さ1メートル程度の帆布で囲われている。一席300円、待つ人が10人あまり、見物人が隙間もないほどにその囲いを取り巻いていた。

 昨日の大庭城址公園は好天に恵まれ、休日の桜見物にとっては最初で最後のチャンスになった。この日は、風が強まるという予報だったので、午前中の早い時間に出かけることにした。すでに、席取り用の広いシートがあちこちに敷かれている。まだ11時前なのに、もう弁当を広げている家族もあった。

 八、九分咲きと目されるソメイヨシノはさすがに見事である。花吹雪のなかで行く春を惜しむのも悪くはないが、花は頂点一歩手前がもっとも華やかで見ごたえがある。

 花の命は短くて・・というが、短いからこそ人はいっそう花に愛おしさと無情を覚えるのかもしれない。