五十花繚乱

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[風を感じ、ときを想う日記](147)3/13
五十花繚乱

 ふと見上げると、木蓮の白い花びらが半分開きかけている。明日にも、ハスの花に似たシルエットが青空に浮き上がるかもしれない。そして数日もすれば、通りの両側は白い大ぶりの花で覆いつくされるはずである。

 昨日、買い物のついでに立ち寄った富士見坂では、河津桜がちょうど満開を迎えていた。一瞬、桃の花と勘違いしそうな、鮮やかな濃いピンクである。その足元は芝桜で埋め尽くされていた。冬の間も数輪ずつ交代で咲かせていたが、こちらもだいぶ賑やかになってきたようだ。

 ここ数年目立ちはじめた近隣のミモザアカシアは、やっとわが春を迎えたようだ。昨年に比べると3週間ばかり遅れている。なんとか取り戻そうと、そのエキゾチックな黄色い房を枝いっぱいに広げている。

 わが家には二本の梅がある。ひとつは、ピンクと白の二種類の花をつける「想いのまま」という種類である。そしてもう一本は、いつもたくさんの花と実をつける豊後梅である。両方とも、近隣の梅林が終わりに近づくいまごろ、思い出したように一斉に花をつける。

 テレビでは、今年も桜前線の予報が始まった。あと何日、あとなんにちと、みんなの気持ちが少しずつ高まっていく。あらゆる花が一斉に咲き揃う春本番を控え、助走中のいまはまさに五十花繚乱のときである。

写真:足元にはこんな花も・・近所の畠に咲いたえんどう豆の花