春先のゴルフ

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[風を感じ、ときを想う日記](146)3/11
春先のゴルフ

 けたたましい目覚しの音が春眠を破った。ベルの音は、最初は優しく、いつまでも起きないでいるとだんだん大きくなるよう作られている。けたたましく聞こえたのは、暁を覚えず熟睡していたためらしい。

 目覚しに起こされたのは数ヵ月ぶりのことである。冬の間、寒いからといってゴルフからはすっかり遠ざかっていた。春の足音を聞き、友人から声をかけられてやっとその気になった。目覚時計も、やっと活躍の場が帰ってきたと喜んでいるに違いない。

 一昨日、この月の第2日曜日には、高校同窓生による定例のゴルフコンペが予定されていた。朝からよく晴れ上がり、暖かく風もほとんどなかった。いいわけ一つできない、絶好のゴルフ日和であった。私は、集合時間の1時間も前にそのゴルフコースに着いた。
 
 この日は、とにかく力まないように気をつけた。何十年も飛距離を競ってきた友人にも大きく水をあけられたが、なんとか最後まで安全運転を押し通すことができた。おかげで、大ケガをするようなことはなかったが、記憶に残るようなファインショットも生まれてこなかった。
 
 それにしてもなんという衰え方であろう。せめて、三歩後退二歩前進でゆるやかな下降線をたどりたいものである。