あの、ロス疑惑

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[風を感じ、ときを想う日記](144)2/27
あの、ロス疑惑

 「エッ、とっくに終わった話ではないの?」「もう時効になっているはずなのに、なぜ?」日本人は一様にそう思ったにちがいない。

 今月22日、あのロス疑惑の渦中にあった三浦和義容疑者が、米自治サイパンから出国しようとしたところを逮捕された。1981年、ロサンゼルスで妻の一美さんを銃撃した容疑である。逮捕状は1988年に請求されたものだという。

 事件はアメリカで起きたものであるが、他国の主権を侵してまで容疑者を逮捕するわけにはいかない。まして、その日本ではすでに無罪が確定している。担当のロサンゼルス市警は、容疑者の動静を慎重に探り、じっくりと腰を据えてチャンスを窺っていたようである。

 それにしても、なんという執念であろう。真実を追究するとは、正義を貫き通すとはこういうことをいうのだろうか。まして、重大事件には時効がないというのも大変な驚きであった。そこには、疑わしきは罰せずとか、もう時間が経ったのだから云々、といった中途半端な妥協はまったく存在しない。多民族国家アメリカの、厳しい側面を見た想いである。

 27年も経って逮捕に踏み切るからには、よほどの確証があってのことであろう。今回の、三浦容疑者の逮捕が冤罪でないことを祈りたい。そして、真実が一日も速く明らかになることを期待したい。