正月の送り火

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](137)1/14
正月の送り火

 「どんと祭」「とんど祭」「どんど祭」、呼び名は少しずつ違っているが、いずれも正月の神様をお送りする火祭りである。

 「どんと祭」という名前では、1月14日夜の仙台・大崎八幡宮のお祭りが有名である。東京には、「とんど焼」として知られる1月8日の鳥越神社のお祭りがある。東京は、たび重なる江戸の大火以来、火祭りは原則禁止のはずなので大変貴重な祭事といえよう。

 そして今日、私が見物に出向いたのが近所の白旗神社で行われた「どんど祭」である。午後2時過ぎ、神事の後で正月飾りの山に火がつけられた。火は火柱となって一気に燃え上がる。まわりを取り囲んでいた人たちが、三色の餅の刺った笹竹を一斉に差し出す。
 
 火は燃え盛り、まわりの人たちは熱さにたまらず後ずさりする。この火で焼いた餅を食べると、一年間無病息災でいられるというが餅はなかなかうまく焼けない。火勢が衰えるのを待って、じっくり焼くほかないだろう。

 そういえば、お盆の最後を飾るのも火である。こちらは、お盆に里帰りしたご先祖様の霊をお送りする火である。火は、神聖な祭事には欠かすことのできない大切な象徴のようだ。