落ち葉のじゅうたん

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[風を感じ、ときを想う日記](132)12/12
落ち葉のじゅうたん

 カシャッ、カシャッ。すごく乾いた音である。そういえば、この落ち葉たち、ここ数日のうちに降ってきたもののようである。幾重にも重なり合っているが、まだ一度も雨には当っていないようだ。踏むと結構弾力があり、音も何重にも重なって聞こえる。

 見上げると、木の枝先まで見えるようになり、さらにその上には明るい青空が広がっている。この前来たときは、頭上のすき間は狭く足元は薄暗かったのに、わずか一週間で様変わりである。

 しばらく歩くと、茶褐色のじゅうたんは突然黄色に変った。銀杏の大木も急いで冬支度に入ったようだ。ザクッ、ザクッ。靴底から伝わる感触は少し重く、油脂や水分がたくさん残っていることを実感させる。うっかりすると、坂道では滑って転ぶかもしれない。

 昨日朝の天気予報は、終日曇りで久しぶりにお湿りがあるかもしれないと伝えていた。しかし、この日も午前中はうららかな日差しに恵まれた。心地よい小春日和に、つい遠方の里山まで誘い出されてしまった。

 落葉も、また楽しからずやである。