かぐや

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[風を感じ、ときを想う日記](114)9/15
かぐや

 月探査衛星「かぐや」の打ち上げが成功した。20日後には月をまわる軌道に乗り、12月頃から観測を始める。14種類の観測機器を搭載し、月誕生の謎の解明を目指すという。
 
 今回の打ち上げは、二つの点で大きな意義があった。その一つは、月探査の国際競争において日本がさきがけとなったことである。来月には、中国が打ち上げを予定していおり、来年にはインド、アメリカ、ロシア、イギリス、そしてドイツの5カ国がそれに続くという。

 いま一つは、国産ロケット・H2Aが、民間に移管された後の最初の打ち上げとなったことだ。H2Aは今回が13号機、7回連続で成功したことになる。初期のもたつきに比べ、信頼性は格段に向上した。コストダウンさえ進めば、他国の大型ロケットと商業的にも互角に競争できるはずだ。
 
 それにしても、「かぐや」とはいい名前を付けたものだ。現代科学とは対極の、お伽話のヒロインの名前である。月にまつわる未知の夢がまた大きく壊されようとしているとき、ロマンに満ちた命名は多少なりとも私たちの気持ちをやわらげてくれそうである。
 
 9月25日は「十五夜の望月」、仲秋の名月である。月の間近まで迫った「かぐや」の、満月に輝く凛々しい姿が見られるかもしれない。