啓蟄

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](76)3/8
啓蟄

 静岡県の岡部町というところに「ふるさと世界の昆虫館」というのがある。まさに昆虫の館である。そこで冬眠していたクワガタが動き出したという。例年より2ヶ月も早いそうだ。

 そういえば、一昨日と以降半月間を、二十四節気では啓蟄(けいちつ)とよんでいる。蟄は冬ごもり、啓はそれをひらくという意味である。地中で冬眠していた虫たちが這い出してくるころということである。しかし、今年は暖かすぎて、虫たちもゆっくり安眠できなかったのではなかろうか。
 
 昨日、気象庁から発表されたソメイヨシノの開花時期も、暖冬によって例年とはまったく違うパターンになってしまった。メリハリを失った季節は、いろいろな所にいろいろな形で大きな影響を及ぼす。
 
 暖冬で笑った人、泣かされた人。早すぎる春にうまく乗る人、乗りそこなう人。あわてて這い出してきた虫たちとともに、もう一騒動も二騒動もありそうな予感である。