富士見坂のさくら

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[風を感じ、ときを想う日記](73)2/25
富士見坂のさくら

 私鉄の駅にまっすぐ通じる広い通りは、手前300メートルあたりから上り坂になる。坂は100メートルあまり続くが、左側は下方に落ち込む急峻な土手になっている。

 そこは、雑木混じりに雑草が生い茂る荒地でもあった。坂の頂上からは、富士山も望めるちょっとした景勝の地でもあるだけに、あまり目にしたくない場所でもあった。

 この冬、そのブッシュがきれいに切り払われ、土手は丸坊主になった。すっきりした反面、なんとも素っ気ない雰囲気になってしまった。

 一週間くらい前、そこを通りかかるとなにやら白っぽいものがちらついている。よくみると、桜の蕾のようである。そのつぼみは日に日にふくらみ、今日ついに満開となった。

 坊主になった荒地に、市役所が植えてくれた河津桜のようだ。歩道に沿って全部で5本ある。5年後、10年後、富士山をバックにした早春の桜並木が楽しみである。

写真は、満開になった富士見坂のさくら