[風を感じ、ときを想う日記](71)2/14
返り花と旬の花
グリーンベルトに植えられたつつじが、今日も返り花を数輪つけている。昨秋から、もう数ヶ月も続いている現象である。別に珍しいことではないようだが、この冬はそれが各所で目にとまる。
安倍首相が提唱している再チャレンジに、いちはやく呼応しようとしているのか。あるいは団塊の世代にむけて、返り咲きの範をみせようとしているのであろうか。それにしても、その姿はなんとも精彩のない痛々しい姿ではある。
そうしたなか、伊豆半島では早くも河津桜が取りざたされはじめた。近所の民家でも、塀越しにそのあでやかな姿を垣間見せはじめている。私がカメラを向けていると、通りがかりの人が初めて気がついたように話しかけてくる。おそらく、河津桜とは兄弟の、大島桜の仲間であろう。
ソメイヨシノなどとちがって、この桜は花と同時に新芽までのぞかせはじめている。色といい、艶といい、そのみずみずしさといい、旬の花には勢いがある。それにひきかえ、返り咲きのつつじはいかにもしょぼくれて見える。記念に一枚と思ったが、カメラはそっぽを向いたままになってしまった。
再チャレンジ制には大賛成であるが、やはり物事には潮時があることも忘れてはならないようだ。