ニューヨークこぼれ話(4)「アップタウン」

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[エッセイ 141] (新作)
ニューヨークこぼれ話(4)「アップタウン」

 マンハッタン、とくにアップタウンは、セントラルパークを抜きにしては語れない。そこまで出かけたら、メトロポリタン美術館に立ち寄らない手はない。その近くに、高級ブランド品店がたくさんあるとしたら、女性ならずともそこにも足を延ばしてみたくなるのが人情である。
 
 セントラルパークは、マンハッタンのど真ん中、市街地にある人工公園としては世界最大のものである。南北は4キロ、東西は800メートルの長方形をしている。面積は336ヘクタールというから、新宿御苑の58ヘクタールと代々木公園の54ヘクタールを合わせたものの3倍に相当する。

 場所柄、自然に近い環境を創り出せるようきめ細かく配慮されている。人工の各種施設も配置されてはいるが、面積が広いためかまったく気にならない。できることなら、時間を気にしないでゆっくりと散策を楽しみたい。

 私も、ビートルズと同じ世代なのか、そこで最初に目にした「イマジンの碑」が妙に印象に残っている。もし彼らのファンなら、西側の入口から近いそのポイントを散策の出発点にするといい。地下鉄の青A・C路線またはオレンジB・D路線の「72ST・CENT.PARK・WEST」が最寄駅になる。

 池や噴水を迂回するように北東の方向に歩いていくと、やがてメトロポリタン美術館の南側に出る。5番街に面し、南北に翼を伸ばしたような堂々とした建物は、それ自体が芸術品といえなくもない。ルーブル美術館エルミタージュ美術館とならぶ世界最高峰の美術館である。

 収蔵品は世界最高水準を誇り、じっくり見ようとすれば1日ではとても足りない。入館料は12ドルというから、かなり得をした気持ちになれるはずである。体力、気力それに時間と相談しながら計画的にまわることをおすすめしたい。

 この辺でもうホテルに帰りたいという人には、約500メートル東を緑4・5・6路線が走っている。最寄駅は、「77ST」または「86ST」が便利である。

 もし、体力に余力があったら、5番街を南下していくといい。約1、7キロ、公園がつきた先に、あの有名なプラザホテルがある。その前方、右手には「ブルガリ」「フェンディ」、左手には「ルイ・ヴィトン」「ティファニー」などが軒を連ねる。そこを左に折れ57STに入ると、「コーチ」「プラダ」などの店が並ぶ。

 郊外の、「ウッドベリー・コモン・アウトレットモール」のツアーに参加して一気に見てまわるもよし。5番街で、こうして一軒一軒ひやかしてまわるのもまたおつなものである。自分自身の都合にあわせて柔軟に決めればいい。

 このシリーズでは、5年前に訪問した時、とくに印象に残った未紹介の場所をおすすめスポットとしてとりあげた。
(2006年8月8日)

[写真、上は近所に咲いていたむくげの花
     下は子息の働いている1251ビル--アップタウン・ロックフェラーセンターの一角]